with Wine | 島之内フジマル醸造所
2010.12.18
このところの日本ワインの品質向上はみなさまご承知のとおりと思います。
なかでも、甲州種を使った白ワイン。より洗練され、深みを帯びて、個性的なものが
増えてきたような気がします。
それまでは、どちらかというと地味で、控えめで、あまり特徴のない品種といわれてきた甲州。
しかし大手メーカーと富永博士の研究により、甲州が本来持っていた柑橘系のアロマを
引き出すことに成功。そしてその成果がワイナリー間で共有され、互いに切磋琢磨することで、
日本ワインのレベルがどんどん上がってきた、と言っていいのではないでしょうか。
そんな重要な役割を担われた富永敬俊さんは、残念ながら2008年6月8日に、
53歳でお亡くなりになりました。
富永さんは、ボルドー第二大学醸造学部で博士になられた唯一の日本人。
甲州のアロマの解明に多大な貢献をされ、さあこれからというときだっただけに、
急逝は多くの人に惜しまれました。
ボルドーでワインの香りに人生を捧げた富永敬俊さん。
ヴィノテークから出版された「甲州のアロマ」では、
その生い立ちからワインとの関わり、甲州の研究の模様、そして最後のときまで、
興味深く記されています。
レ・パピーユ・ジャポネーズにて、1,575円(税込)で販売しております。
甲州ワインを飲みながら、ゆっくり読んでみてはいかがでしょうか。
Dai Aramaki
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