with Wine | 島之内フジマル醸造所
2010.11.10
九州ワイナリー巡り、2軒目は熊本市のやや北寄りにある熊本ワインへ。ワイナリーはフードパル熊本という、食に関する施設や工場、販売店などが集まった団地の中にありました。なかなか立派な外観で、あいにくの雨だというのに、お昼時にはワインを求めるお客さんで一杯に。
さっそく担当の榊さんに案内していただて、醸造設備を見させていただきます。きれいに手入れされたステンレスタンクやフィルターが並び、奥の方には発酵用の小樽も。温度管理を行うために、冷水を循環させるパイプ装置を手作りされるなど、苦労の跡がうかがえます。この醸造全般を取り仕切っているのが、メディアにもよく登場されている幸山さん。雑誌では長髪のお姿を見かけていたのですが、この日はきれいサッパリとした髪型でした!こちらの方が似合ってるかも・・(笑)
一通り醸造施設を見学したあとは、いよいよブドウ畑へ。ワイナリーから車で30分ほどと離れているのですが、周りを山に囲まれ、静かで、とてもいい環境にブドウ畑はありました。
カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの欧州系品種が植わっているのですが、畑ごとに栽培農家さんの考え方・仕事ぶりが表れていて、大変興味深かったです。几帳面に手入れしている畑からはやはり、キリッとした味わいのブドウが生まれるとか。
熊本ワインのフラッグシップといえば、夜間に収穫を行う菊鹿ナイトハーヴェスト・シャルドネ(生産量も極少量!)。そしてその区画は、ブドウの出来具合を見て幸山さんが判断するのですが、これが栽培農家さんたちのモチベーションになっているのです。
「去年はウチの畑のブドウがナイトハーヴェストに選ばれたんだ!」目を輝かせながら語ってくださった栽培農家さん。いい仕事をして、いいブドウを育てれば、それがちゃんと評価される。そして、近所の誰々さんには負けていられない・・。こんな気持ちがいい意味で競争につながり、お互い切磋琢磨して産地全体のレベルがあがっていく。栽培農家とワイナリーとの好循環の一例を見た思いがしました。
試飲は、瓶詰めされたばかりの無添加シャルドネとマスカットベリーAを含めて10種類近く。新酒はまだ風味が閉じていたものの、フレッシュな口当たりが楽しめる軽快なもの。安定していてスッと馴染む美味しさのキス・キッカシリーズに、興味深かったのは熟成したマスカットベリーA、なんと2001年産でした。古酒独特の枯れた風味がありながら、しつこくなく、サラリとした余韻。味噌などの発酵食品とあわせてみたい感じです。
これからどんなワインを作っていきたいですか、との問いに「飲んで熊本ワインだと分かるような、果実に近いイメージのもの」と幸山さん。まだいろいろ試してみたいことがあるらしく、これからの展開に目が離せません。
次回は宮崎へ!都農ワイナリーを訪れます。
コメントを残す