with Wine | 島之内フジマル醸造所
2010.10.27
おいしいワインがあると聞けば、北は北海道から南は九州まで。一昔前までは日本のワインというと、山梨や長野をイメージされる方が多かったのですが、今や産地は東西南北に広がり、ここ九州でもおいしくて個性的なワインが造られています。
というわけで、新幹線とレンタカーを組み合わせた2泊3日の九州ワイナリー巡りへ出かけてきました!走行距離およそ1000kmに及んだ長い旅路の始まりは、名湯・由布院と別府に挟まれた安心院葡萄酒工房から。
さっそくワイナリー・・の前にまずは長旅の疲れを温泉で癒します。ワイナリーのすぐ近くにある安心院温泉は、地元の人たちの憩いの場のようなほのぼのとした共同浴場スタイル。眼下には安心院の街並みが広がり、手足を伸ばして「フーッ。」と大きなため息を。
汗を流したあとはいよいよワイナリー訪問。緑に包まれた穏やかなエントランスを抜けて施設内に入らせていただき、醸造担当の古屋さんにいろいろと設備を案内していただきました。
フランスの樽メーカーから仕入れた各種新樽に、大きな発酵槽や圧搾機などが、ピカピカに磨かれて配置されていましたが、ある部屋の片隅には寸胴鍋のような小さな容器が、ひっそりと並べられていました。
これらはまだ試験醸造段階のワインで、極少量だけ仕込まれたもの。大きなタンクで安定的においしいワインを供給する一方で、より個性をもった、よりオリジナルなワインを生み出すべく、日々研究に余念がありません。
ブランデーを製造するための、ピッカピカの蒸留器も。まるでロボットのような外観です。
そして安心院葡萄酒工房といえば、スパークリングワインも看板商品のひとつです。長めの熟成期間により生まれる複雑な香りと柔らかい口当たり、優雅な余韻。日本のスパークリングワインのひとつの理想形といっても過言ではないでしょう。人の手を介してゆっくりとゆっくりと、丁寧に造られていました。
原料となるブドウは大半が契約栽培農家からの購入ですが、ワイナリーの高台には自社畑も広がり、今後さらに拡充していくとのこと。今は垣根仕立てで上にビニールを被せているのですが、風が強いときには飛ばされる危険もあるとか・・。土壌との相性や気象条件をよく勘案して、よりベストな栽培方法を考えています、とのことでした。
ブドウにとっては、決して十分に恵まれた環境とはいえないのですが、人々の知恵や工夫によって造られている日本のワイン。今後がさらに楽しみです。
次回は熊本へ!熊本ワイナリーの訪問レポートを行います。
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