with Wine | 島之内フジマル醸造所
2010.04.07
以前よりずっと興味があり
今まで扱いたいと思いながらも
流通や価格、その他国産ワインをとりまく様々な状況の中、常に後回しにしてきた産地です。
(今を思えば私たちの勉強不足や重い腰が一番の問題だったかもしれません)
品質の向上、市場の変化はもちろん
生産者の意識の変化や海外組の帰国、世代交代など
ここ数年の変化のスピードはとても速く、かつ今後期待を持てる変化だと思います。
もちろん素晴らしいワインがすでに数多く生まれているのは周知の事実。
この国でワインショップをしながら
私達のセレクトに国産のワインが入っていない事に違和感や不自然さを感じていましたが
やっと少しずつご紹介できそうです。
まずは先日伺った地元・大阪は柏原市の「カタシモワイナリー」さんから
訪問に先立ち電話で予約を入れた際
山を1時間ほど歩きまわりますとの説明。
実際には2時間以上歩きまわったような気が・・・・
その間ずっと、休む間もなく堅下の歴史や栽培の事、土壌の事などたくさんお話し頂きました。
物を産み出すという事はあれくらいのバイタリティが必要なんだなぁと再確認。
畑は主に柏原の東側に広がる山の斜面に。
地勢としては南西向きです。
大阪では湿った空気が西もしくは南から流れてきます。
その湿った空気が大阪平野の東部の山にぶつかった時に山沿いは雨になるのですが
ここ堅下付近では南に大和川があるために湿った空気が山にぶつからず奈良の方に流れていき
他の山沿いと比べてもずいぶん降雨量が少ないそうです。
その他詳しくは羽山料理店のブログにて
こんなに説明してもらったら書かなくてもいいかなぁ
・・・・・じゃぁ許してもらえなさそうなので少しだけ・・・
とりあえず畑を見ましょうとの事
歴史を感じさせる住宅地を抜けるとブドウ畑が上の方まで・・・・
斜面下部
樹勢の強い甲州は垣根で仕立てるのが難しいとの事。またせっかく棚があるんだから使わないともったいないでしょうとの事。どの樹も立派です樹齢25年ほど、これはデラウェアーだったかな。
25年ほど前に高井さん自身が除草剤を散布中に病院に担ぎ込まれたことがある経験から畑での除草剤は使わず土を育てる事から始める。畑にはかなりの種類の植物が生息。剪定した枝を砕いたりブドウの搾りかすを畑にまき雑草などが生えにくくし、堆肥の代わりとして使用しています。
合名山の樹齢80年の古木(これほどの古木は日本に数本しかない)
今回はわが娘も連れて行きましたがタンポポの多さにテンション上がるあがる(笑
急斜面もぐんぐん登ります。
斜面中部 合名山(ごうめいやま)の土壌
表土が浅く石英質の土壌が地表に。
斜面上部
開墾を始めたばかりの畑。
斜度35度ほどの急斜面に垣根仕立てで植樹中。
斜面上部から見下ろして
画像じゃ伝わりにくい急こう配。下に見える住宅地までずっと斜面はブドウ畑。
昔の堅下の風景
山の上部までぶどう畑。そういえば急こう配の畑を登るにつれ同行者とこんな会話を「あぁコート・ロティやぁ・・・」
最盛期は119件の栽培農家があり国内最大の収穫量があった時期も
現在では2件しか残っていないそうです。
さぁ山を下ってセラーに戻ります。
瓶内2次発酵にこだわる
ピュピトルにささるスパークリングロゼ(デラウエアー/キャンベルアーリー)綺麗です。
ほのかに甘い香りとは裏腹にドライな仕上がり。
樽もたくさん。
自家製の単式蒸留機。(国内のワイナリーで持っているところは数件のはず)
グラッパもあります。
もっとも印象に残った
合名山甲州葡萄 2009
香りの段階からミネラル感の強さを感じさせる。(あの石英質の土壌)
果実の厚みは少なくタイトな印象ながらも薄っぺらさは皆無。
自称ミネラル王子が香り嗅いだだけで唸っていました(笑
高井利洋社長とこの春に見習いから始めた娘の麻記子さん
たくさんの説明、そしてわが娘の面倒ありがとうございました。
にしてもそっくりな親子だった。。。。。
高井さんにお会いして
西日本で最も歴史のあるワイナリー、規模も小さくないと聴いていたので
もう少し企業化したイメージがあったのですが…….
社長の人柄がよく出た非常に温かさを感じることのできるワイナリーでした。
メルローやカベルネ、シャルドネはもちろんリースリングやケルナーなど11種類のブドウを栽培。
現段階ではブドウ品種のセレクトや栽培、醸造において数多く試行錯誤を繰り返しているところといった感じ。
とにかく研究熱心でチャレンジ精神が旺盛な方というのが一番の印象。
今後、新しい試みの成果が非常に楽しみです。
次回は秋に伺いたいですね。。。。
入荷してます。 E.FUKUI
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