造り手への旅路 (12) 天城峠の漆黒鶏 | FUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユFUJIMARU WINE SHOP | 株式会社パピーユ

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2019.07.11

造り手への旅路 (12) 天城峠の漆黒鶏

天城越えはその昔、街道でも難所で有名だった
「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ、雨足が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。–そして朴歯の高下駄で天城を登って来たのだった。重なり合った山々や原生林や深い渓谷の秋に見とれながらも、私は一つの期待に胸をときめかして道を急いでいるのだった。」

トンネルを越えながら小説の一節を思い出す

 

そんな峠を越えた先へ
今回は西伊豆の造り手を巡る

 

まずは、
静岡県伊豆市にて養鶏をされている堀江養鶏さんへ

 

独自に掛け合わせた品種をヒナから生育
漆黒の羽が輝く「天城軍鶏」を育ている

 


堀江養鶏さんの生育はとても時間をかけたものだ

20〜40日かけて育てたヒナは次第に骨格もしっかりとした成鶏に
ただし、ここではまだ出荷しない

寒さに弱いヒナは一年を通して温かさに守られている

 

「80日飼育すれば地鶏と名乗れる
でも、それでは美味しくない乗ってこない
だから納得いく味わい、そして飲食店さんにも相談に乗ってもらい今の飼育となりました」
今回ご案内して下さった堀江利彰さんは真っ直ぐに前を見つめて話す

 

ほどほどのかみごたえと程よい脂ののり目指して、料理人それそれのの希望に合わせ、その後もじっくりと育てられる

 


鶏舎には狩野川の川風を入れて部屋内を循環
強い風は鶏舎の空気を一掃させ鮮麗な空気を保つ

飼育の広さはの基準の2.5倍をとり広々とした平飼い
「鶏たちには自分のテリトリーがあって、ストレス感じて喧嘩してしまうので守ってあげる」そうだ
この環境で軍鶏たちは自由に歩き廻り、しっかりとした筋肉をつけた体に育っていく

この土地は天城山に向けて雪が降るギリギリライン
「ここは寒いところだからいいんです
軟弱な肉にならない」
と堀江さん

 


在庫は持たず、自家処理場にてそれぞれのオーダー毎に準備
自ら育てた鶏だけを捌けるので鮮度や状態、脂ののりも確かめることができる
料理人がどうやって使うのか、使いたいのか
それに応えてくれる頼もしく心強い


堀江さんは私と同年代
そしてワイン好き
最初はお互いに緊張感があったが最後には趣味に子供の話題やTシャツの柄で盛り上がる

 

またの再会、そして天城軍鶏の入荷が楽しみです!

 


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