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2015.02.23

「技術を受け継ぐという事②」

前回の物づくりの現場から引き続き、

第二回目は「海人の藻塩」をご紹介します。

この藻塩づくりは一片の土器から始まりました。

それは30年以上前に、広島県 上浦刈島の浜造成工事において

古墳時代の”沖浦遺跡”が出土。
松浦宣秀氏はその土器が、古代の製塩に使われたことを発見、

10年余りの歳月を費やしついに当時の製塩法を解明。

千年の時を経て一度は失われた技の復活です

この土器製塩法は日本の塩づくりの原点で、

考古学会からも認められ大きな注目を集めました。

そして、このニュースを見た
朋和商事株式会社の社長さんがこれだっ!と商品化を決意。

そもそも温暖な気候に恵まれた瀬戸内海は、平安時代から塩田を使った製塩が盛んで

万葉集では

「…朝凪に 玉藻刈りつつ

  夕凪に 藻塩焼きつつ…」

と詠まれています。

この玉藻とは海藻のホンダワラの事。

瀬戸内海一海流の速さによる水の綺麗さを誇るこの島では、

天然のホンダワラが生息。

これを綺麗な海水を汲みだして浸し、塩分濃度を高めたエキスを煮詰めて製塩していきます。

人間は塩分がないと生きていけない生き物。

とても手間と時間がかかり、熱気にあふれる工房の作業をみて

いつも旨みあふれる塩を送って頂き感謝の思いでした。


上浦刈島出身で様々な職歴を経て現在は塩づくりに情熱を燃やす副所長の石井さん。

現在フジマルの各店舗でも愛用させてもらっています。

それぞれのメニューで私たちの先祖も味わっていた繊細で柔らかな塩味を是非楽しんでみて下さい。

現地で教えて貰った使い方は塩とおろしわさびでお刺身!

(これ、めちゃくちゃ美味しかったです!!)

あとは、古米にちょこっと混ぜて炊くと美味しさが増すそうですよ。

今回、二つの造り手を訪問し、

改めてコトを継承し続ける難しさ、そしてそれを高めていく心意気を感じました。

今をもってしてもわからなことが多いというのもロマンを感じますし、

昔ながらの知恵に英知が詰まっていて日本の伝統食材が本当に素晴らしいという事も。

現在の機材を使いながらも技と英知を尽くし、

豊かな味わいを伝える方々をこれからもお伝えしていきたいと思います。

 


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