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2010.02.16

彼らが伝えたいこと

ワインには生産者からのメッセージが込められている。

私は本気でそう思っています。

もちろんそうじゃないワインも沢山あります。
そして、想いが込められていないと駄目だ!なんてことも思っていません。

ましてやオーガニックだろうがビオディナミだろうがビオロジックだろうが
私がワインを選ぶ判断基準には全く影響しません。

ただ、メッセージが込められているなら紐解いてみたい。
もしかしたら、私はただそれだけを求めに産地に赴いているのかも知れません。

ドメーヌ デ グリオット

パトリック と セバスチャン

彼らの自宅で昼食を頂きながら、話をしました。

彼らは完全な自然主義だ。
自然主義という言葉があるのかどうかはわからない。
ただ、他のヴァンナチュールの生産者とはそこに至った経緯が全く違う。

アンジェの市街地からは小一時間ほど外れた農村地帯。
彼らは地産地消の精神で生活する。
例えば、頂いた料理はこんな感じ。

人参のマリネ。

そば粉とポワローをジャンボンで巻いたもの。

パンですら。

すべて近郊で手に入れた食材だけで、もてなしてくれた。

機械は人間の仕事をなくす。
人間が自らの手で働き稼いだお金を、自分たちの地域で使うことにより
様々な連鎖が生まれ、地域全体が豊かになる。
もちろん、地域の為を考えるがゆえに、自然と畑ではオーガニックになり、
地域には、本来ないであろう酸化防止剤や農薬なんかは使わなくなる。

万人受けするワインを造ることよりも
彼らの土地で生まれる味わいを大切にし、
一切、マスキングせずに素のままのワインをボトリングする。

それが彼らの理念であり、伝えたいことなのだ。
何が豊かなのか、本当の豊かさとは何なのか?
料理もワインも一貫している。
すべて筋が通っているのだ。

食事中、もちろん彼らのワインを飲んだが
醸造などの話はほぼ皆無。
アンジュの土地やフィロソフィーの話で終始した。
もちろん、誰も醸造の質問などしなかった。
恐らくそれは彼らが言いたいことが伝わってきたからだと思う。


食事後、畑へ。
見晴らしの良い高台に畑はある。

私には、彼らは『豊か』なような気がした。

でも、さすがに2月のロワール。
ねずみ男が出現するぐらい寒かった(笑)

 


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