with Wine | ワインショップ&ダイナー FUJIMARU 東心斎橋店 スタッフブログ
2009.07.26
この造り手のワインを飲むときにいつも考えることがあります。
それは「~らしい」とは?ということです。
たとえば、ブルゴーニュなんかを飲んでいると
ある人は
これはシャンベルタンらしくない!
とか
これは~(作り手の名前)らしくない!
っていう話になったりします。
そして、ヴェット・エ・ソルベの話になると
あれはシャンパーニュらしくない。
となります。
それはきっと一般的なシャンパーニュと比べてということだと思います。
とても、納得できる意見だと思います。
だって、それっぽくないですし。
問題はそこから。
じゃあ、自分たちが思う『~らしさ』って、一体どこから来るもんなんだろう?
ワインの味わいは、何千年という長い年月をかけて変わってきたものです。
ボルドーですら昔はロゼみたいな薄いワインだったんですから。
(というよりメドックなんて300年ぐらい前までは沼地だったらしい・・・)
ボトルやコルクが発明される前は、今とは全く違う味わいだったはずだし。
つまり、私たちが思う『~らしさ』ってその時代の流行りみたいなもんだと思うんです。
90年代のように肉厚なワインが流行る時期があったり、
また、最近のように落ち着きのある味わいが求められるようになったり。
結局は、体験からくる知識の積み上げな訳で、時代によってかなりイメージは変わってくるはず。
人間がお酒を飲めるのって20~70歳だとしたら
たった50年間ぐらいしかなくて、その間にワインはたった50回しか造れない。
生産者×産地×ヴィンテージの数だけワインは生まれる訳ですが
果たして、『~らしさ』なんて語ることができるんだろうか。
少なくとも生産者の個性ぐらいはわかるようになったとしても
産地の個性なんて。。。
実は私たちはその時々の流行りにのっているだけで
本当は何にもわかっちゃいないのかも!?と。
AUSやNZの生産者と話をするともっと興味深いです。
彼らにテロワールは?と聞くと、
『あるだろうけど、まだわからないね。
だって、産地自体がまだ30~40年と若いんだよ?
たったそれだけでテロワールを理解するなんて無理』
と返ってきます。
そして、『だから面白い』と。
偏った固定観念はワインには不必要だと私は思っています。
~らしさに拘るがあまりストライクゾーンを狭くして、否定から入ってしまうのはあまりにも寂しい。
そう思いませんか?
去年リリースされたヴェット・エ・ソルベの05(ラベル上はNV)美味しくなってきました。
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