with Wine | ワインショップ&ダイナー FUJIMARU 浅草橋店 スタッフブログ
2020.12.05
仕込み初めは三月一日からと代々決まっている
学生時代は京都で過ごし、ブイブイ言わせていた
訳ではないだろうが、縁あって味醂造りを受け継いだ当代 小笠原和哉さんにお話を伺った
フジマルセレクション基本の調味料”み”は、
話を戻して仕込みについて
仕込み3月
絞りは5月
落ち着くのは7月頃
通年仕込みする蔵もある中、小笠原味醂では年一回の春仕込みのみ
理由は色々あるが、小笠原さん曰く
「60過ぎたじじばば2人はタンク6本が精一杯
できれば減らしたいけどなんとか続けていけるかぎり造り続けたい
小笠原味醂は
麹づくりは手作業で
全て国産米100%
加熱処理無しの生詰め
書くのは簡単だけれど、
この蔵には基本的に小笠原ご夫妻、弟子がお一人、
「まず学生さんに教える事は手洗いなんです」と小笠原さん
ひとの口に入る食品を作るとはどういう事なのか
それを常に考えなくてはいけない
だから、
「今ハッピーバースデーを2回歌うくらいの長さで手洗いする話題
実際に仕込みを終え、
麹づくりは手作業で
その言葉通り手で測り手で造られる
誰にでもわかる数値も大事だが
品温だけではわからないこともある
元気のある36℃と元気のない36℃がある
室(ムロ:麹を育てる部屋)をあけてむわっと 熱く感じるがこれは機械だとわからない
「人間の体感がすべて、入ってみにゃわからん」
そんな生き物だから
不眠不休48時間はつきっきりで育てる(最近は経験値を元に少し寝れるようになったそうです)
当時はよくそんな作業もしていたなって言うこともあったりするそうで、麹の冷まし方や櫂の入れ方や回数全ての工程一つ一つに経験の裏打
「まだまだですけどね
とにかく普通が一番
こだわってるとか究極だとか自分で言う事ではないですから」
一子相傳については
「自ら三年熟成と謳ったことはないんです」とも
熟成期間を記載する事でお客様に誤解を与えたくないし
賞味期限は書くけれど10年経った味醂でも全然いけるものを作っ
小笠原味醂は一度口にすると圧倒的な美味しさにファンになる人が
だから新規お取引の問い合わせ国内外からひっきりなし
でも小笠原さんは変えない
今自分たちでできるものだけをやろう
売れるから作ろうではなく
作ったから売ろう
仕事量が増えるなら手がいる
そして雑になる
食い物は人様の口にはいるもの
お金を出して買っていただくのがおろそかになるのはダメなんだ
年齢を重ね元気になっていくわけでない今
イテテと言いながら仕事やる
決して仕事は好きではない
自分たちに見合った数を
やらないかんことはやる
怠けて手を抜くではなく普通にやる
だからこだわるって言葉はきらいとも言い切る
そんな小笠原さんの座右の銘は『常に普通』
いつも通りを当たり前に積み重ね続けていくことはとても難しい事
どんな質問にもまっすぐに明確に熱量を持って話す小笠原さんが作
だからこそ言いたい
この味醂、唯一無二です
by、YUKI KIMURA
火入れしないで瓶詰めする味醂は酒で言う生々
麹が発酵要素であり
もろみは発酵させていない
ただ酵素は生き続けている
人間の舌メーターではわからないけれど瓶の中で旨味は増していく小笠原味醂の一子相傳
フジマルセレクション基本の調味料”み”
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