with Wine | ワインショップ&ダイナー FUJIMARU 浅草橋店 スタッフブログ
2019.06.24
桃の花が咲き誇る景色をご覧になった事があるだろうか
それはそれは綺麗で、ふわふわとしたピンクの絨毯が広がるまさに桃源郷だ
その名に相応しく桃生産日本一である山梨・笛吹市へ
出迎えてくれたのは陽気なお兄さん
もとい、堀井俊彦さん
奥様 悦子さん、お母様の三人六脚で
「宝桃園」を盛り立てている
三人で年間700個ほど多品種の桃を生産されている
前情報としては聞いていたが、堀井さんは本当に面白い
軽快なジョークとスッと距離を縮めて来る感じにぐいぐい引き込まれていく
軽く挨拶を交わし、ゆる~く、サボってても寝ててもいいから、と言われつつ桃畑へ移動
なんて綺麗なところなんだろう
花こそもうないが、木々がとても生き生きとして、通り抜ける風がとても心地よい場所
桃の実が水や陽やけによるダメージを防ぐための笠かけをお手伝いしながらお話を伺う
桃は三ステージで育っていく
種の存続、コアをつくる事を重視
最初は栄養を与えすぎずにゆっくり育てて根をしっかりはらせる
桃栗三年柿八年
とは言うが、実際には3年では実が生らない
5年目くらいからようやく出荷できるものが採れるが、それも11~12年までしか木は保たない
とてもスパンが早い
その為常に若木を準備、生育しておく
潅水もあるが基本は天然の降雨による水やり
ただ、以前より天候の循環も変わってきており、農家は自然とのやりとりだとは言うが
明らかに今までとは違ってきている
最近ではゲリラ豪雨のような読めないし降り出したら止められない、ジェットコースター天気も多々ある
また、梅雨がなくなったのような天候も続くのでまた密集に変え日焼けを防ぐ、
下草の刈り方など、なるべくストレスを与えない育て方をしている
宝桃園さんの農家であることの姿勢、堀井さんの子育て話を通しての
物を頂く、循環させるということを当たり前のようにされていることに深く胸を打った
昼の合間に地の乳酸発酵させた漬物や自家製の大粒梅干し(絶品!)やら自家製味噌の味噌汁、”裏で作ってる”野菜などを頂く
畑の横には堆肥場を設けている
これは堀井さんが、畑の循環を子供に見せたい為だ
「お父さん達が畑のご飯を作り、畑が僕たちのご飯を作ってくれる」
「農家の子供はご飯残すな
食べれることが当たり前ではないのだから」
ご近所の子供達も勝手に遊びに来るそう
この日も来ており庭に設けられたブランコを限界まで漕いだり、
なんか食わせろ!腹減った!というやりとりをしていたり、もはや誰が堀井さんのお子さんが分からない状態だし、
堀井さんも平気で楽し気に対応し、違ったら遠慮なく叱る
収穫はどのタイミングするんですか?と聞いてみた
香り、色、張りで収穫を決めるそう
「本当にね、そぅっと触れると桃が熟れてきてるのが分かるんです」と
その区画ごとではなく、熟れたところから取って行きまた戻って、取った朝に出荷して届けたい
手間はかかるけどそうしないと美味しさに納得できないと収穫は人任せにしない
皆さん今年の桃はまだですか?と聞いてくれるが、
「いつ届くかは桃に聞いてくれ!僕も知りたい(笑)」
とおっしゃっていました
桃つくりは甘さだけを追求しても砂糖食べてるわけじゃないし面白くないし
酸味苦みがあっての果実味、深さだと思う
糖度だけで言うなら
トマトやトウモロコシの方が高いし今の消費要望だけで生産者が踊らされてはいけない
農家ができることは2割程度
でもその2割が割と大事だし味に関わる
うちの桃に、
“ぬけ”があるか
食べた後の透明感を大事にしている
食べ飽きない味わいを追求したい
うん、堀井さんと桃の味わいは尽きません
宝桃園さんの桃、順番待ちですが
東京にも送ってくださいとお願いしました
桃がその時期を迎えたら、きっと届いて素敵な一皿として皆さまの前に届くはず
楽しみにお待ちください
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